仕様を整理する「設計」

仕様を整理する「設計」

企業においてコンピュータシステムを導入するにあたり、機材の導入からネットワークの構築をするにはかなりの専門知識と技術が必要になります。インフラエンジニアはそのようなITインフラを設計し、実際に管理、運用を行うという業種になりますが、実際にどのような仕事を行うのでしょうか。まずは、プロジェクトの最初の部分になる設計段階についてご紹介します。

目的に応じて全体を設計する

インフラエンジニアは、クライアントがコンピュータネットワークを使ってやりたいと考えている事を実際に形にしていきます。どのような要件になるかはそれぞれのクライアントのニーズによって違いますので、まずはどのようなITインフラが必要になるかを考えなければなりません。コストの問題やインフラ整備にかけられる時間も考慮に入れつつ、どのような機材やネットワークを使うのがベストなのかという事を設計し、頭の中に描いたものをプロジェクトに関わる全ての人が共有する設計書として可視化します。

高いヒアリング力が必要

クライアントからの依頼内容は、場合によっては漠然としていてそのまま形にしにくいものもあります。そのため、より具体的なニーズを引き出すためには、インフラエンジニアのヒアリングが重要なポイントになります。専門知識がない側にとって、やりたい事はあってもそれがどうしたら出来るのかはよくわからないという事も多いので、インフラエンジニアがどこまでクライアントの状況を理解しながら要望を聞き取る事ができるかがプロジェクトの方向を左右します。案件によっては複雑なインフラ整備が必要になる場合もあるので、相手が望んでいる形を正確に把握する想像力と、専門知識がない人にでもわかりやすい設計書の作成能力など、インフラエンジニアに求められる能力はITの知識と技術にはとどまりません。

ベストな提案をするために

ITインフラを整備するにあたり、様々な分野の業者とのやり取りをしながら全体をまとめているので、設計書作成にはかなりの時間を費やす事もあるでしょう。しかし、どれだけいい計画を立てたとしても、それをクライアントにしっかり納得してもらわなければ仕事を進める事ができません。自分の頭ではわかっている事と他の人がわかっている事の違いを客観的に見極めて、全体像をイメージしやすい設計書作りがインフラエンジニアとしてまず重要な要素となるでしょう。それほど複雑でない案件に関してはエンジニアがヒアリングや提案を行わない事が多いのですが、内容がより専門性の高いものになるとエンジニアが直接説明する必要も出てくるため、難しい事をわかりやすく表現しベストな提案をするだけの話術も必要になる場合があります。