基盤を作り上げる「構築」

基盤を作り上げる「構築」

インフラエンジニアの行う「インフラ構築」とは、文字通り「基盤(インフラストラクチャ、略してインフラ)」を「構築」する仕事です。それでは、具体的に見ていきましょう。

インフラ構築の概要

コンピュータやネットワーク機器・周辺機器などを調達し、それらを設置・配線接続を行い、その後ソフトウェアのインストールと環境設定を行うのが、インフラ構築での仕事の流れです。このように書くとなんだか難しいように思えますが、これは自分でPCを購入して持ち帰り、組み立て、設置、接続をして電源を入れ、ソフトウェアの環境設定を行うといった一連の作業と似た要素が多くあります。インフラエンジニアの業務は、このスケールを大きくしたものと考えてください。また、クライアントのニーズ、ネットワーク構築かサーバ構築かといった要望に沿って、きちんと稼働する情報システムが組めるようにそれに合った「機器」と「ソフトウェア」の発注を行うことも大きなポイントとなります。インフラ構築先が自分自身ではなくてクライアントという相手がいることが異なる要素になるわけです。

インフラ構築の業務フロー

実際の業務内容は、まず現場へ必要な機器を運搬することになります。インフラ機器は重量物も多く、意外に体力も必要です。次に、機器の組み立てを行います。ここでは、どのように作業を進行すれば効率よく組み立てを進めることができるかという作業効率の高さが求められます。チームを組んで作業することも多いので、指示や管理が的確にできることも重要です。そして、機器を配線で接続します。ネットワークやサーバの知識が求められます。
ハードウェア側の設定を終えたあとは、ソフトウェアの導入や設定に入ります。コンピュータへのOSやソフト、アプリのインストール、ネットワークの設定などです。最後に構築したインフラが意図したとおりに機能するか、動作チェックを行います。同時に限界点を把握するために負荷テストを行うこともあります。最近ではインターネットを経由したクラウドサービスを利用して、ソフトウェアを遠隔操作することもできるようになってきました。その場合にはハードウェア環境設定の手順の部分は事業者との契約のみで済ませ、OSやソフトウェアのインストール・設定の作業から行うようになります。

「安定性」と「セキュリティ」がポイント

前述の負荷テストとも関連することですが、システムのサーバがダウンしてしまうと、原因の調査や復旧作業、回復の確認など業務に多大な影響を及ぼすことになります。安定してシステムを運用できるように、使用する環境に応じてメモリやCPUなどがどの程度必要なのかなどを熟知している必要があります。サーバへは外部からの攻撃もあり、それが原因で落ちてしまうこともあります。ですので、サーバ構築ではセキュリティ面の強化も非常に重要で、そのサーバにアクセスさせるのはどこからか、アクセス権限の範囲はどこまで許可するのかといったことを十分に吟味して設計する必要があります。